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ローマ神話におけるユピテル
何の神か | 天空、気象現象、雷 一騎討ち |
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対応する= ギリシャ神 | ゼウス |
聖樹 | 樫/カシ |
1.
ローマ神話の主神。天空神として気象現象を司り、特に雷を操る。ローマ市の中心にはユピテル神殿が建立され、永くローマの守護神として崇められた。
一騎討ちを守護する神でもある。一騎討ちで敵の将軍を倒したローマの将軍は、討ち取った敵の武具を聖樹である樫の木に縛り付け、ユピテルに捧げる風習があった。
ユピテルはラテン語でJūpiterと書き、英語読みではジュピターと呼ばれる。その名は木星の由来となっている。
後にギリシア神話のゼウスと同一視される。
時にはディアナの姿に変身し、女神となることもある。
ギリシャ神話におけるゼウス①
何の神か | 天空、天候 秩序 |
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対応する= ローマ神 | ユピテル |
類似する≒ エジプト神 | アメン |
聖獣 | 牡牛 |
聖鳥 | 鷲/ワシ |
聖樹 | 樫/カシ、楢/ナラ |
1.
ギリシャ神話の主神。創造的能力や人格的性質を持ち併せた、全知全能の最高神。天候(雲・雨・雪・雷など)を司る天空神であり、さらに全宇宙をも支配する。
神々の王、父なる神として、オリュンポスの神々と人類双方の秩序を守護・支配する。正義と慈悲をもって弱者を守護し、秩序を脅かす者は、たとえ親族であっても厳しく罰する神である。
ローマ神話の主神ユピテルと同一視される。エジプト神話の最高神アメンとも同一視されることがある。
キュクロプスの作った、ケラウノスと呼ばれる雷霆(らいてい)を武器とする。この雷は全宇宙を破壊出来る程の強大な力があるとされる。また、万物を切り刻む魔法の刃であるアダマントの鎌を武器とすることもある。防具は、雷霆の一撃をも防ぎ、敵を石化させるアイギスの楯(胸当てや肩当てという説もある)だが、これはしばしば娘のアテナに貸し出される。
関連記事→《ティタノマキア・ギガントマキア》ゼウスが王権を獲得するまでの経緯/ギリシャ神話
古代オリンピックはゼウスを讃える大祭であり、オリンピアで4年に1度開催された。この開催期間中、ギリシア人は全て戦争を中断し、古代オリンピックに参加する為にオリンピアへと向かった。その道中はゼウスによって守護されると考えられた。不正を決して行わないという宣誓をゼウスに捧げ、各種目の競技で優勝した者は、神々から寵愛されている者、もしくは神々の血を引く者とされ、祖国で大いに賞賛された。
2.
クロノスとレアの末の息子。ゼウスの1番目の正妻はメティス(知恵の女神)、2番目はテミス(掟の女神)、3番目はヘラ(結婚の女神)である。また、多くの愛人もいる。
ゼウスはヘラに隠れて浮気を繰り返し、好色な神として描かれるが、これは全能神の血を引く強力な神々や半神半人を生み出し、全宇宙や人間界の基盤を整えるためでもあるといわれている。
また、様々な地母神由来の女神や女性との交わりは、言語が異なる民族との和合と融合を象徴するものだという見方や、古代ギリシアをはじめ地中海世界各地の王家が自らの祖先をゼウスと結びつけたいという願望があったからだという見方もある。
ギリシャ神話におけるゼウス②
妻① | メティス |
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娘 | [アテナ] |
妻② | テミス |
娘 |
ホーラ、アストライア、 クロト※、ラケシス※、 アトロポス※ |
妻③ | ヘラ |
息子 | [ヘパイストス]、 [アレス] |
娘 | エイレイテュイア、ヘベ |
愛人 | レト |
息子 | [アポロン] |
娘 | [アルテミス] |
愛人 | マイア |
息子 | [ヘルメス] |
愛人 | セメレ |
息子 | [ディオニュソス] |
愛人 | [デメテル] |
娘 | ペルセポネ |
愛人 | ディオネ※ |
娘 | [アフロディテ]※ |
※…諸説あり
メティスとの間に娘のアテナ、
ヘラとの間に息子のヘパイストス、アレス、娘のエイレイテュイア、ヘベ、
テミスとの間に季節の女神ホーラ、正義の女神アストライアがいる。娘の運命の三女神(クロト、ラケシス、アトロポス)もゼウスとテミスの娘とする説がある。
レトとの間に息子のアポロン、娘のアルテミス、
マイアとの間に息子のヘルメス、
テーバイの王女セメレとの間に息子のディオニュソス、
デメテル(一説にはステュクス)との間に娘のペルセポネがいる。
ディオネとの間に娘のアフロディテがいるという説がある。
愛人 | セレネ |
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娘 | パンディア、ヘルセ |
愛人 | ムネモシュネ※ |
娘 | 9柱のムーサ※ |
愛人 | エウリュノメ※ |
娘 | 3柱のカリス※ |
※…諸説あり
月の女神セレネとの間に娘のパンディア、ヘルセがいる。
記憶の女神ムネモシュネとの間に娘の9柱のムーサ、
海洋の女神エウリュノメとの間に娘の3柱のカリスがいるという説がある。
愛人 | ダナエ |
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息子 | ペルセウス |
愛人 | アルクメネ |
息子 | ヘラクレス |
愛人 | レダまたはネメシス |
息子 | カストル、ポルックス |
娘 | ヘレネ |
愛人 | アンティオペ |
息子 | ゼトス、アムピオン |
愛人 | エウロペ |
息子 |
ミノス、ラダマンテュス、 サルペドン |
愛人 | カリスト |
息子 | アルカス |
愛人 | イオ |
息子 | エパポス |
(黄金の雨に変身して)ダナエとの間に息子のペルセウス、
(叔父のアムピトリュオンに変身して)アルクメネとの間に息子のヘラクレス、
(白鳥に変身して)レダまたはネメシスとの間に息子のディオスクロイ(カストル、ポルックス)と娘のヘレネ、
(サテュロスに変身して)アンティオペとの間に息子のゼトス、アムピオン、
(白い牡牛に変身して)エウロペとの間に息子のミノス、ラダマンテュス、サルペドン、
(アルテミスに変身して)カリストとの間に息子のアルカス、
(雲に変身して)イオとの間に息子のエパポス、
というように、正体を隠して多数の子供たちを残したとされる。
ゼウスの子とされる英雄を半神(ヘロス)といい、古代ギリシアでは下級の神として広く祀られていた。(また、これらは古代ギリシアの各王家が自らの祖先をゼウスとするために作り出された系譜とも考えられている。)