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ローマ神話におけるマルス
何の神か | 戦と農耕 戦士 男性の武勇や闘争心 |
---|---|
対応する= ギリシャ神 | アレス |
聖獣 | 狼 |
聖鳥 | 啄木鳥/キツツキ |
1.
戦と農耕を司る、3月の神。ギリシャ神話の伝来前、ローマ建国時にはすでに存在し、主神のようにあつく信仰されていた。ローマ暦では農耕の始まる3月から新年が始まる。マウォルス、マメルスとも呼ばれる。
ギリシャ神話の戦の神アレスと同一視されるが、戦闘時の狂乱を神格化したアレスとは異なり、マルスは男性の武勇や闘争心を表し、勇敢な戦士の象徴とされていた。軍神として、グラディウス(Gradīvus 進軍する者)という呼び名も持ち、勝利の女神ウィクトリアを従える。(ギリシャ神話でウィクトリアと同一視されるのはニケだが、こちらはアレスではなくアテナに付き従うとされる。)
記号の「♂」は、「武勇」「男性」「火星」の象徴として、本来はマルスを意味する記号であった。火星の衛星フォボスとダイモスは、ギリシャ神話のアレスの子供たちの名が由来となっている。
スペイン語では火曜日を「martes」と呼び、「軍神マルスの日」を意味する。
マルスから、「マルクス」「マルケッルス」「マリウス」「マルティヌス」といった人名が派生しヨーロッパ各地で使われている。
ギリシャ神話におけるアレス
何の神か | 戦闘時の狂乱と破壊 |
---|---|
対応する= ローマ神 | マルス |
聖獣 | 狼、猪 |
聖鳥 | 啄木鳥/キツツキ 雄鶏 |
聖樹 | トネリコ |
1.
戦闘時の狂乱と破壊を神格化した神で、粗野で残忍かつ不誠実な性格であったとされる。同じく戦神であるアテナは栄誉や計略を表し恩恵をもたらすが、対してアレスは荒ぶる神として畏怖された。「城壁の破壊者」という二つ名を持つ。
黄金の兜と青銅の鎧を装備し、巨大な槍を武器とする。戦場では基本的に徒歩だが、時には黄金の額あてを付けた4頭の神馬に戦車を引かせ、戦場を疾駆した。
アレスの好戦的な神格はギリシア人にとって不評であり、神話の中で不遇な扱いを受ける。
神々の中では避けられているが、愛人のアフロディテや子供達、従者達とは親しい。アレスの従者のエリスやエニュオは近親者として語られることもある。また、アレスの引き起こす戦争によって冥界の住人が増えることから、冥界の王ハデスとも付き合いがある。
男神の中では1、2を争う程の美貌を持っているとされ、身長も高く、200メートルをゆうに超えるとされる。人間の前では、人間の大きさに合わせた姿で現れるという。体重は不明である。
性格的に似ても似つかないが、戦いを司る男神としてローマ神話のマルスと同一視され、後に火星と結びつけられた。