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ローマ神話におけるメルクリウス
何の神か | 雄弁家、盗賊 商人、職人、旅人 |
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対応する= ギリシャ神 | ヘルメス |
1.
元来の信仰ははっきりせず、ローマの外から伝来した神と考えられている。メルクリウスの名の由来は、商品・財貨に関係があるのではないかとされている。
ギリシャ神話の伝令使ヘルメスと同一視され、雄弁家、盗賊、商人、職人、旅人の守護神となった。
ギリシアでは水星をヘルメスの星と呼んでいたが、これはローマでも共有され、さらに現代にも受け継がれている。メルクリウスの英語読みはマーキュリー(Mercury)である。
ローマ暦では水曜日をメルクリウスの日(Diēs Mercuriī)と呼んでいたが、ゲルマン(北欧)では「オーディンの日」と呼んだ。英語では水曜日をWednesdayと呼び、ゲルマンの「オーディンの日」が由来となっている。メルクリウスとオーディンの共通点は、知恵と計略に長けた神ということであるが、同一の神であるとはいえない。
ギリシャ神話におけるヘルメス
何の神か | 伝令、体育競技 計略、盗人 商売、商人、旅人 |
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対応する= ローマ神 | メルクリウス |
聖鳥 | 朱鷺/トキ、雄鶏 |
象徴 | ペタソス(帽子) ケリュケイオン(杖) タラリア(サンダル) ハルパー(鎌) |
1.
伝令神。神々の伝令使だが、特にゼウスの使いであるとされる。早足で駆ける者として、体育技能、競技を司る神でもある。
策略、詐術、賭博に長けた計略の神。また、能弁、雄弁で、狡知に富み、盗人の神としての側面も持つ。
旅人、商人などの守護神として、交易、市場、交通、道路、牧畜といった、商売に関係する幸運と富を司る。
また、音楽にも通じ、竪琴や笛などを発明する。アポロンの竪琴を発明し、アポロンからはケリュケイオンの杖を贈られたとされる。ほかには、数字やアルファベット、天文学や度量衡、火の起こし方を発明したとされる。
境界を行き来することから、夢と眠りの神、死出の旅路の案内者などとも言われ、多面的な性格を持つ神である。 古典期以降のヘルメスの象徴は、ペタソス、ケリュケイオン、タラリア、ハルパー(ショーテル)であり、これらを身につけた姿で描かれることもある。
・ペタソス
農民や旅人が被る、つば広の丸い旅行帽。ヘルメスの帽子は翼がついている。画像は外部サイト(bellis Wiki2)よりご参照ください。
・ケリュケイオン
ラテン語でカドゥケウスとも呼ばれる、神々の伝令の証である杖。2匹の蛇が巻きついた短い杖で、上部に翼がついている。古代後期には水星を表す惑星記号のもととなった。現代では商業や交通のシンボルとして利用される。
・タラリア
空を飛べる、翼の生えた黄金のサンダル。
・ハルパー(ショーテル)
武器である鎌。
親 |
父:ゼウス
母:マイア |
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愛人 | 多数 |
子供 | 多数 |
2.
ゼウスとマイアの子。好色で、多くの愛人と子供をもつ。
伝令に向いた神を作りたかったゼウスが、嘘と泥棒の才能を子に与えるためにマイアと密通したとされる。生まれた直後に各地を飛び回ったことから旅の神にもなった。