《葡萄酒の神》バックス、ディオニュソスの基礎知識  /神話伝承キャラ

 

ローマ神話におけるバックス


 
何の神かワイン
対応する=
ギリシャ神
ディオニュソス
類似する≒
ローマ神
リベル

1.
 ワインの神。元々ローマ神話にいた神ではなく、ギリシャ神話のブドウ酒の神ディオニュソスを輸入したものである。ディオニュソスの別名バッコスをラテン語化し、バックスと名付けられた。日本では英語読みのバッカスで知られている。

 ウェヌス(対応するギリシャ神:ヘスティア)の代わりとして、「ディー・コンセンテス」の1柱に数えられることもある。
 (「ディー・コンセンテス」…ローマ十二柱神。ギリシャ神話のオリュンポス十二柱神に相当する。)

 男の豊穣神という共通点から、ローマ神のリベルとバックスが同一視されることもある。しかし、リベルはブドウ酒に特化した神とも言えず、また、ディー・コンセンテスにも数えられていないため、バックスと完全な同一視はできない。
バッカス
バッカス/エレメンタルストーリー
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ギリシャ神話におけるディオニュソス


 
何の神かブドウ酒
作物の実り(豊穣)
よっぱらい(酩酊)
対応する=
ローマ神
バックス
類似する≒
エジプト神
オシリス
聖獣豹、虎、狐、ロバ
牡山羊、牡牛、牡鹿
イルカ、蛇
聖樹葡萄、蔦
象徴テュルソスの杖
酒杯、豊穣の角

1.
 ブドウ酒、作物の実り(豊穣)、よっぱらい(酩酊)の神。ヘスティアの代わりにオリュンポス十二柱神の1柱に数えられることもある。
 その名は「若いゼウス」意味する。(ゼウス、デウス、ディオスは神を意味する言葉である。)別名をバッコスといい、ローマ神話ではバックスと呼ばれる。
 ワイン作りを教えたというエジプトの神オシリスと同一視されることもある。

 テュルソスの杖、酒杯、豊穣の角(コルヌコピア)を象徴とする。

・テュルソスの杖
 先端に松笠がつき、葡萄の蔓や蔦で装飾された杖。槍になるともいわれる。繁栄、繁殖、悦楽を象徴する。

・酒杯
 カンタロスと呼ばれる杯。画像は外部サイト(電子博物館みゆネットふじさわ)よりご参照ください。

・コルヌコピア
 果実・花などの豊穣をもたらす、羊の角。
ディオニュソス
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父:ゼウス
母:セメレ
アリアドネ
愛人 [アフロディテ]※
息子 プリアポス※
<カリス>※
※…諸説あり

2.
 ゼウスとセメレの息子。アリアドネを妻とする。
 アフロディテとの間に息子のプリアポス(生殖と豊穣の神)と、娘のカリス(美と優雅を司る女神たち)がいるという説がある。