《地下鉱物と冥界の神》プルート、ハデスの基礎知識  /神話伝承キャラ

 

ローマ神話におけるプルート


 
何の神か冥界
対応する=
ギリシャ神
ハデス
類似する≒
ローマ神
オルクス
フェブルウス

1.
 冥界を司る神。ギリシャ神話のハデスがローマ神話に取り入れられたものである。
 その名はギリシア語で「富める者」を意味し、冥王星やプルトニウム原子の語源でもある。ダンテの『神曲』に登場するプルートという名の魔物は、ローマ神話のプルートとは無関係である。
 後に死の神オルクスや慰霊の神フェブルウスと同一視された。

・オルクス
 エトルリアからローマ神話に加入した、死の神。髭を生やした恐ろしげな巨人の姿で描かれる。

・フェブルウス
 ローマ神話に登場する月の神。古代ローマにおいて、戦死者を慰霊し、戦争の罪を清めるために毎年2月に執り行われた慰霊祭フェブルアーリア (Februalia) の主神であり、また、2月を意味するラテン語のFebruarius、英語のFebruaryなどの語源となった。死者の魂と密接な関係にある事から、後にプルートと同一視された。
プルート
プルート/エレメンタルストーリー
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父:サトゥルヌス
母:オプス
兄弟 プルート、 [ネプトゥヌス]、
ユピテル
姉妹 [ウェスタ]、 [ケレス]、 ユノ
[プロセルピナ]

2.
 プロセルピナを妻とする。
 

ギリシャ神話におけるハデス


 
何の神か冥府、冥界
地下の鉱物資源
豊穣
対応する=
ローマ神
プルート
象徴水仙、糸杉
豊穣の角

1.
 冥府の神。地底の冥界を統べる王であり、名声や貧富に関わらず全ての魂を受け入れる神として信仰された。死者の国の主として、冥界の住人が増えることを喜び、反対に、生き返って地上に帰ることには冥王ハデス自身による許可を必要とした。
 人々には恐れられ、他の神々のように祭典などの大々的な行事が行われることはほぼなかったといわれる。

 地下の鉱物資源の守護神でもある。地下と関係のあることから、地中から芽を出して成長する作物と関連付けられ、豊穣神として信仰されることもある。

 ゼウス、ポセイドンに続く実力を持ち、地下のゼウスとも呼ばれる。通常、冥界から出ずオリュンポスに来ないため、オリュンポス十二神には数えないが、例外的に一部の論者がオリュンポス十二神に数える場合もある。

 二叉の槍バイデントを持つ。また、被ると姿が見えなくなる「隠れ兜」を所持しており、これはギガントマキアではヘルメスに、メドゥーサ退治ではペルセウスに貸し出された。

 様々な異名を持ち、アイデスやアイドネウス(目に見えない者)、クリュメノス(名高き者)、エウブレウス(よき忠告者)などがある。地下の鉱物資源の守護神でもあることからプルトン(富める者)とも呼ばれ、これはローマ神話の冥界の神プルートの語源となった。
 キリスト教でのハデスという言葉は、ギリシャ神話の神ではなく、死後の世界そのものを指す。

 象徴は豊穣の角(コルヌコピア)、水仙、糸杉。ポセイドンと同じく馬とも関連がある。ハデスが乗るのは黒い馬だとされる。

・コルヌコピア
 果実・花などの豊穣をもたらす、羊の角。
転生ハーデス
ハーデス/パズル&ドラゴンズ
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父:クロノス
母:レア
兄弟 ハデス、 [ポセイドン]、 ゼウス
姉妹 [ヘスティア]、 [デメテル]、 ヘラ
[ペルセポネ]

2.
 クロノスとレアの息子。ペルセポネを妻とする。

 女性の扱いに不慣れとされるハデスだが、数少ない浮気話として、妖精メンテが挙げられる。ハデスとメンテの接近を察知したペルセポネは、メンテを小さな草(ミント)の姿に変えてしまった。または、メンテがハデスを略奪されたことでペルセポネを責めたので、デメテルによってミントに変えられたという説もある。メンテの魅力は芳しい香りとして表れている。
 また、妖精レウケもハデスによって冥界に冥界に連れて行かれたが、不死の身体を持つ神ではなかったために死んでしまった。ハデスはレウケを悼み、その姿を白ポプラに変えた。それ以来、エリュシオンには白ポプラがしげっているという。後に、ヘラクレスがエリュシオンのレウケの木から冠を作ったといわれる。

・エリュシオン
 死後の楽園。冥界の審判官を務めるアイアコス、ミノス、ラダマンテュスが支配する世界で、神々に愛された英雄たちの魂が暮らす場所。