関連記事一覧
ギリシャ神話におけるカオス
何の神か | 空間、無限 |
---|
1.
原初の神。有限な存在全てを超越した無限を象徴し、その名は「大口を開けた」「空(から)の空間」を意味する。これは何も無いうつろな空間という意味ではなく、あらゆるものを生み出す場としての空間である。カズム(裂け目)と呼ばれることもある。
世界(宇宙)が始まるとき、物質や生命が存在を確保できる場所が必要であった。何もない無の空間に最初にカオス(空間)が存在し、続いてガイア(大地)、タルタロス(奈落)、エロス(恋心・性愛)が生まれた。
ギリシャ神話におけるエレボス
何の神か | 幽冥、あの世 冥土、黄泉路 地下の暗黒 |
---|
1.
原初の幽冥(黄泉路、冥土、あの世)を神格化したもの。名は「地下世界」を意味する。地下の暗黒の神でもあることから、しばしばタルタロス(奈落、地獄)と混同されるが同一ではない。
ギリシャ神話におけるニュクス
何の神か | 夜 |
---|
1.
夜の女神。夜の神格化。その名はギリシア語で夜を意味する。
ホメロスによると、ゼウスにさえ恐れられ尊ばれている女神であるという。
世界の西の果ての地下に館を持ち、昼の女神ヘーメラと共有で使っている。ニュクスが世界を巡って夜をもたらしている間はヘーメラがここに待機し、ヘーメラが世界を巡って昼をもたらしている間はニュクスがここに待機する。そのため、二人が共に館にいるのは、昼と夜の境目の一瞬だけである。
親 | 父:カオス |
---|---|
兄弟 | エレボス |
姉妹 | ニュクス |
夫 | エレボス |
息子 | アイテール、カローン |
娘 | ヘーメラ |
2.
カオスの娘。エレボスの妹にして妻であり、娘に昼の女神ヘーメラ、息子に天空神アイテール、冥界の河の渡し守カローンがいる。
息子 |
モロス、
タナトス、
ヒュプノス、 オネイロス、 モモス、オイジュス、 ゲラス |
---|---|
娘 |
ケール、
クロト※、
ラケシス※、 アトロポス※、 ネメシス、アパテ、 ピロテス、 エリス |
※…諸説あり
また、単独で多数の神々を生んでいる。モロス(死の運命)、ケール(戦場の死)、タナトス(死)、ヒュプノス(眠り)、オネイロス(夢)、モモス、オイジュス(苦悩)、モイライ(運命の三女神、クロト、ラケシス、アトロポスの総称)、ネメシス(懲罰)、アパテ(欺き)、ピロテス(愛欲)、ゲラス(老い)、エリス(争い)である。
ヘシオドスの神統記で、パンドラが開いた甕(または壺、箱)の中から出てきた災厄には、これらも含まれているとされる。
ギリシャ神話におけるアイテール
何の神か | 天空、大気 |
---|
1.
天空神。天空の上方にあるとされる澄み渡った輝く大気の神格化である。天空神であることからウラノス(ガイアの息子)と混同されることがあるが、同一ではない。
神々の王権が成立する以前の、原初神の1柱。
親 |
父:エレボス
母:ニュクス |
---|---|
兄弟 | アイテール、 カローン |
姉妹 | ヘーメラ |
2.
ヘシオドスによると、エレボス(幽冥)とニュクス(夜)の息子で、ヘーメラ(昼)の兄弟であるとされる。
母ニュクスと娘ヘーメラが、夜と昼の対として表裏一体であるように、息子アイテールと父エレボスは、上天の光明と地下の暗黒を示し表裏一体となっている。
一方ヒュギーヌスは、アイテールはカオスの息子で、エレボス、ニュクス、ヘーメラと兄弟であり、ヘーメラーとの間に娘のガイア(大地)、タラッサ(海)、息子のウラノス(空)がいるとしている。
ギリシャ神話におけるヘーメラ
何の神か | 昼 |
---|
1.
昼の女神。その名はギリシア語で「昼」「昼の光」を意味する。昼が神格化された神である。
神々の王権が成立する以前の、原初神の1柱。ヘーメラの誕生は太陽神ヘリオスよりも古い。