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ローマ神話におけるアポロ
何の神か | 光明 太陽 |
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対応する= ギリシャ神 | アポロン |
類似する≒ ローマ神 | ソル |
類似する≒ ギリシャ神 | ヘリオス |
1.
対応するローマ神が存在しなかったため、元来の信仰はない。ほぼギリシャ神話のアポロンの説話を輸入したものである。
光明神という特徴から、アポロンはギリシャ神話の太陽神ヘリオスと同一視され、太陽神に昇華した。ヘリオスはローマ神話の太陽神ソルと対応しているが、家族構成で矛盾が生じるために彼らとアポロンとの同一視は限界があり、主な共通点は太陽に関する神ということになる。
アポロン/サモンズボード
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親 |
父:ユピテル
母:ラトナ |
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姉妹 | [ディアナ] |
2.
ユピテルとラトナの息子で、ディアナときょうだい(兄妹、姉弟、双生児と諸説あり)。
ギリシャ神話におけるアポロン
何の神か | 光明、太陽 知的文化的活動 芸能、芸術 音楽、詩歌文芸 予言 牧畜、羊飼い 疫病、医術、治療 |
---|---|
対応する= ローマ神 | アポロ |
類似する≒ ギリシャ神 | ヘリオス |
類似する≒ ローマ神 | ソル |
聖獣 | 狼、蛇、鹿 |
聖鳥 | 白鳥、鴉/カラス、雄鶏 鷹、禿鷹 |
聖虫 | 蝉 |
聖樹 | 月桂樹、オリーブ 棕櫚/シュロ 御柳/ギョリュウ |
1.
光明の神。紀元前5世紀から太陽神ヘリオスと混同されるようになり、やがて完全に太陽神へと昇華し、古典期(紀元前8世紀から紀元6世紀)のギリシアにおいては理想の青年像と考えられた。
芸能・芸術に秀で、音楽・詩歌文芸といったあらゆる知的文化的活動の守護神でもあり、文芸の女神たち(ムーサイ)を率いる。
竪琴の演奏技術を、吟遊詩人オルフェウスに教えたといわれる。アポロンの竪琴は亀の甲羅に羊の腸(または牛の腸)を張ったもので、ヘルメスが作って彼に贈ったという説がある。アポロンは、友好の証として、代わりにケリュケイオンの杖(2匹の蛇が巻きつき、上部には翼のついている短い杖)をヘルメスに贈ったという。
また、予言の神でもあり、自身の予言能力を人間の女性(トロイアの王女カサンドラ)に授けたこともある。
アポロンの起源はギリシアの外である小アジアにあり、繁茂する植物の精霊神から転じて牧畜を司る羊飼いの守護神となったともいわれるが、現状ではほとんどその面影はない。
戦いにも参加する神である。武器は弓矢を使い、ギガントマキアではヘラクレスと共闘した。腕力も強く、頑強な城壁を素手で軽々と打ち砕いて崩壊させると伝えられ、ボクシングを創始した神としても知られる。
アポロンとアルテミスの2柱は「遠矢射る」の称号を持ち、疫病を司る神とされる。アポロンは銀の弓矢を、姉妹のアルテミスは金の弓矢を使うという説が主流で、アポロンの矢で男性を、アルテミスの矢で女性を射ると、人間たちは苦痛を感じる間もなく一瞬で即死する。生死のコントロールという点から、転じて医術・治療の神となり、アポロンはケンタウロス族の賢者ケイローンに、医学をはじめ、音楽や予言の技を教えたとされる。一方、アルテミスは狩猟をケイローンに教えたとされる。
イルカ(デルピス)の姿に変身したという神話からデルピニオスと呼ばれることもある。世界遺産の「デルポイ」という地名はここから来ているともいわれる。
親 |
父:ゼウス
母:レト |
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姉妹 | アルテミス |
愛人 | コロニス |
息子 | アスクレピオス |
2.
ゼウスとレトの息子で、アルテミスときょうだい(兄妹、姉弟、双生児と諸説あり)。
アポロンは恋愛に積極的で、処女神のアルテミスとは対照的な性格といえる。恋愛が成就しないと逆上して、相手を殺害したり呪いをかけたり異なる姿に変身させたりする。
愛人のコロニス(ラピテス族の王女)との間には、息子のアスクレピオスがいる。コロニスは伝令のカラスによってアポロンに浮気を知られ、射殺された。(対象が女性である為、アルテミスが射殺したという説もある。)
伝令のカラスは言葉を話し、その羽は純白だったが、アポロンの怒りによって言葉を奪われ、羽を真っ黒にされた。この、コロニスとアポロンのエピソードが、からす座の由来となっている。からす座のすぐ近くにはコップ座があるが、そのくちばしは永遠にコップの水に届かないという説もある。
アポロンは、コロニスの胎内からアスクレピオスを取り出し、ケンタウロス族の賢者ケイローンに預けた。
ケイローンの元で育ったアスクレピオスは、やがて名医となり、ある時、蛇が死んだ仲間の蛇に薬草を与えて蘇らせるのを見て、死者を蘇らせる術を知った(メドゥーサの蘇生作用のある血を使うという説もある)。冥府の神ハデスは生死の秩序が乱されると考え、ゼウスに訴えた。そしてアスクレピオスはゼウスの雷霆に撃たれて死に、へびつかい座として天に掲げられた。
一匹の蛇が巻き付いた杖がWHO(世界保健機関)のマークとなっているが、これはアスクレピオスの杖が由来となっている。医療・医術の象徴として、世界的に広く用いられている。